私的名ゲームソフト① スーパーファミコン「かまいたちの夜」

名盤

 今年は、スーパーファミコンソフトの名作「かまいたちの夜」が発売されて、30周年ということで、公式グッズやムック本、そして、最新ゲーム機においては、リメイク版が発売されるなど、新たなマーケットが立ち上げられています。この「かまいたちの夜」は、言わずもがな、テレビゲーム史のみならず、エンターテインメント史に残る金字塔を打ち立てた作品です。

 これまで、散々、評されている作品であり、金字塔になりえたその理由について、詳細は他にお任せすることにして、ここでは、成熟した大人たちの手練手管によって、テレビゲームというプラットフォームの可能性が追及され、かつてない程の圧倒的に高度かつ知的な悪ふざけが仕掛けられた結果、それをなし得たのではないかということは述べさせていただきます。

 そして、この作品を30年振りに遊んでみたところ、犯人も忘れてしまい、新鮮な気持ちで、臨めることは、嬉しいのですが、当然、1回目のプレイでは、犯人が分からず、2回目、3回目と繰り返していくうち、気付いたのが、どうも自分の選択後の場面展開や会話に記憶があるということです。つまり、30年振りにプレイしても、おそらくそのようにリードされるように仕向けられているとはいえ、30年前と同じ行動選択をしており、つまり、その選択をするにあたっての判断力や推理力は変わっていないということとなり、ひいては、ひょっとするとその背景にある自身の人間性そのものが、変化も成長もしていないのではないかという疑念が生じ、唖然としました。

 「三つ子の魂百まで」というのは、こういうことかと諺のもつ叡智に感心させられる作品という、新たな解釈の仕方をもって、この「かまいたちの夜」を私的名作とさせていただきます。

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