私的名著として、取り上げたいのは、2003年刊行、哲学者の池田晶子著「14歳からの哲学」ですが、こちらは、残念ながら、私的ではなく圧倒的な公的名著となっています。
池袋の西武百貨店に以前、LIBROという大型書店がありました。5年ほど前に閉店し、その売り場は、現在は、そのまま三省堂書店に変わっています。このLIBROは、本を売るというより、来店者に、その先の未知のカルチャーを伝えることや知的愉悦を与えようとする書店員の強い思いが、書棚や開催されるイベントに表現されており、特異な書店として、認知されており、同じ大型書店とはいえ、三省堂書店がその代替になることは決してありえません。
本の並べ方も、通常では、サイズ(文庫や新書、四六判等)による物理的な区分けと文芸書やノンフクション、実用書などのジャンル分けで配列されておりますが、それが明確に区切られておらず、まだらにつながっているように感じました。
確か、2010年の終わり頃、書店内に10年を一区切りとして、1970年~2010年の各年代の出版作品物のベスト10を取り上げたコーナーが設置されていました。
そのゼロ年代で、数多刊行された書籍の中で、独特の審美眼を放つ書店「LIBRO池袋店」が選んだ1位がこの「14歳からの哲学」でした。
コメント