1988年に発売された荻野目洋子のアルバム「CD-RIDER」にこの「ジャングル・ダンス」は収録されており、先行発売されたシングル「スターダスト・ドリーム」のB面曲でもありました。また、NHKのみんなのうたの放送曲で、歌詞の内容としては、対象年齢は低めでしたが、作曲は、当時、自身の音楽ユニットTMネットワークが大ブレイクを果たし、多くの女性アイドルにも楽曲を提供し、飛ぶ鳥を落とす勢いの小室哲哉でした。
「CD-RIDER」というタイトルからも、このアルバムが発売された時期は、ちょうど音楽媒体がレコードからCDへの移行期であり、発売元のビクターが、当時トップアイドルであった荻野目洋子のアルバムを利用して、自社製品のCDプレイヤーやCDラジカセの販売促進をしたことが想像に難くないところです。
当時、私自身がこのアルバムをCDで購入し、CDラジカセで再生していた時には、特に気付きませんでしたが、社会人となり、単体型のステレオ装置で再生すると一聴して、その音質の良さに驚愕しました。中でも、「ジャングル・ダンス」はすさまじく、左右の分離感、立体的な音の発出感、デジタルサウンドならではの音の粒立ちなど、本当に音のジャングル・ダンス状態!?です。
おそらく、これはビクターが、CDの音質の良さを世間に広く認知させるために、トップアイドルの荻野目洋子の作品に最大限に録音やマスタリングの技術を注ぎこんだ結果なのでしょう。ちなみに、荻野目洋子の他のアルバムも音質が良いものばかりです。
そして、最近、この「CD-RIDER」のアナログ盤を中古レコード店で不意に入手しました。まさか、LPレコードが発売されているとは知りませんでした。そして、これまで、大抵、CDで聴いていた楽曲をレコードで聴き直す場合のレコードの方の音の生々しさに圧倒される例(特にジャズなど)にならい、このレコードにも、それを大いに期待して聴いてみましたが、何と、逆でした。CDの方が一枚上手でした。さすがにアルバムタイトルに「CD」を付けるだけの気概を感じました。
世間には、より良い音質を求めて、再生装置に投資するマニアがたくさんいる一方で、音源こそが決め手と考えて、優秀録音盤を探し求めるマニアもたくさんおり、そういった方々には、ひょっとしたら、既に評価されているかもしれませんが、一度、聴いていただきたい逸品です。なにせ、配信音楽サービスで聴いても、音質の良さが感じられますので。
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